離婚した夫婦の再会と再度の別れを淡々と描いたレイモンド・カーバーの短編小説「シェフの家」をベースに、1995年のケベック州独立運動を背景にした元夫婦の過去と現在、そして未来の物語を描いたカナダ製アニメーション。アル中の詩人ジョゼフは、別れた妻のエマを「ヴィル・ヌーヴ(新しい街)」に呼び出す。思い出の地で再会した2人の関係は良好であるかに思えたが、独立運動の高まりによって、その関係に新たな波乱が巻き起こる。監督は初の長編アニメーション作品となるアニメーション作家のフェリックス・デュフール=ラペリエール。全編が墨絵の手描きのビジュアル、随所に詩の朗読が挟まれる構成で、ベネチア映画祭の「ヴェニス・デイズ」部門でのプレミア上映のほか、アヌシー、ザグレブなど世界的なアニメーション映画祭で上映された。